2026.8.18
今回から、備品管理にまつわるナレッジについてお話ししています。
収録業務の朝、機材を車に積み込みながらSSDが一台足りないことに気づく。前回の現場に置いてきたのか、誰かのデスクの引き出しなのか、その場では分かりません。心当たりのある人に連絡して、倉庫をもう一度見て、それでも出てこなければ駆け込みでレンタルを手配するか、近くにあれば家電量販店で購入する。
弊社も映像制作を手がけていたので、この手のトラブルには覚えがあります。そして毎回思うのは、これは誰かがだらしないから起きているわけではない、ということです。
紛失や所在不明の被害を、備品の購入代金だけで見積もると実態を取り逃がします。
参考になる数字があります。建設業を対象にした調査では、1日あたり機材や物品を探すのに費やしている時間が平均35.1分、年間に換算すると約214時間、1日8時間で割り戻して約27営業日にのぼるという結果が出ています。さらに回答者の40.9%が「見つからないことで業務に影響が出た」と答えています。
映像制作の現場を実測した数字ではないので、そのまま自社に当てはめることはできません。ただ、多品目の機材が倉庫と現場を行き来するという構造は共通しています。1日35分は業務の合間に紛れる程度の長さですが、1年で1か月分の勤務日数を超えると聞くと、印象が変わるのではないでしょうか。
そして制作の現場では、探す時間が撮影前日や当日の朝に集中します。体感の負荷は、平均値が示すよりも大きくなりやすいところです。
備品が無くなると、つい「誰が最後に使ったか」という話になります。ただ、現場を丁寧に見ていくと、原因はたいてい次の5つのどれかです。
持ち出しの記録がない。記憶と口頭の申し送りに頼っている
私物と会社の備品が混ざっている。持ち帰られても誰も違和感を持たない
返却期限が決まっていない。「使い終わったら返す」が何か月も放置される
定位置が決まっていない。戻す場所が人によって違い、あるのに見つからない
棚卸しをしていない。無くなった事実に気づくのが半年後になる
どれも注意力の問題ではありません。備品の扱いを支える仕組みが用意されていない、という話です。
コストをかけずに始められる対策が3つあります。
ひとつは、定位置を決めて目に見える形で示すこと。戻す場所が人によって違うと、あるのに見つからない状態が生まれます。棚にラベルを貼って、どこに戻すかを迷わせない。地味ですが効きます。
ふたつめは、持ち出すときに必ず記録を残すこと。記録がなければ、無くなったことにも、いつから無くなっていたかにも気づけません。ここで大事なのは、記録の手間を借りる手間より軽くすることです。重い記録は必ず飛ばされます。
みっつめは、返却期限をセットで決めること。期限のない返却は、常に後回しにできるタスクです。借りる側に悪気はなくても、目の前の仕事が優先されるのは自然なことでしょう。借りる時点で期限まで決めておけば、返し忘れはかなり減ります。
ここまではルールで対処できる範囲の話です。ただ、ルールには守られたかどうかを検知できないという弱点があります。貼り紙をしても、書かれなかった記録は誰にも見えません。
この先にある仕組み面の対策——ラベリングによる個体識別、スキャンによる履歴の自動記録、返却期限のリマインダー、所有者の明確化、定期的な棚卸し——と、紙・スプレッドシート・専用システムの比較については、Werpのサイトに全文を掲載しています。
備品・機材の紛失を防ぐには?原因別の対策と仕組みづくり
https://get.werp.in/blog/prevent-equipment-loss
なお、ここで挙げた仕組み面の対策は、弊社が開発・提供している備品管理SaaS「Werp™」でそのまま運用できます。 https://get.werp.in
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